夜明け前/
石田とわ
ひとりでは
立てないという
ひとりでは
泣けないという
なんとかなしい
生き物だろう
膝を抱えうずくまり
ただ時が経つのを
待っている
ただひたすらに
抱え込み
待っている
やがて
かなしいほどに
強い生き物が
腕を伸ばし
あくびする
あたらしい一日の
はじまりです
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