背中に/Giovanni
 
目 があった
背中 にあった
内臓 を俯瞰していた

視線 を反らそうとした
くきっ と体が曲がった
背骨 がばきばききしんだ
きしんだきしんだきしんだ

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

気が付いてみると
ゲーミングチェアに横たわって
めったに見ない夢を見ていた

休みもなくて
疲れ果てていたのかしらん

夢の中の僕自身は
得体のしれない化け物だったのか
いとけない小動物だったのか
冷酷怜悧なアンドロイド人形だったのか
うらぶれた僕そのものだったのか
もう よく思い出せない

ああ もう どうでもいいや

ただ
妙に背中がぞわぞわして
ふとんから這い出して
炊飯ジャーのスイッチ入れた

くきっ と
戻る   Point(3)