蝶/トノモトショウ
特別な色のない 夜が
麗らかに 舞っている
二つの 肺は
非対称を 否定するように
静かに 揺らぐ
これは流線形の パラドックス
恥じらいは 甘い息
幾何学に酔う 身体
その 悦
超現実の対話は 徒労であろうか
まさか骨肉が 震えるのであろうか
互いの 認識は
擦れ違うばかり か
不気味に 絡み合う
繰れる物質の 氾濫
何処かで 見たはずの
幻覚 いや
収縮 穴ばかりが闇に
浮かぶ 昨日も同じ
ところで どの部分が歪んでいるのか
神は 笑う
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