殺伐にいたる病/
フユナ
とって
僕たちは
またぐことも無視することもできない
と
僕は思うのに
たまに気付いた人が
苦笑して目礼していく
今りんごをたべたとして
これ以上追放されうる場所などありはしない
のを
みんな知っている
北の地 北の海 海のむこう
何も容れてないはずの
空き瓶
の中の空の剥落
間違って放った風船を
浜でこどもが受け取っていた
あげるつもりじゃなかったのだと
誰もが言い出せないでいる
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