詩の日めくり 二〇一六年十三月一日─三十一日/田中宏輔
てね。
芸術って、無意識の紡ぎ出すきらめきって
いちばん大事じゃない?
いまのぼくの作風もそうで
もう、計画的につくられた詩や小説なんて
ぜんぜんおもしろくないもの。
よほどの名作はべつだけど。
で
『源氏物語』のあの長さが、登場人物の性格を
一面的に描きつづけることを不可能にさせてるのかもしれない。
で
それが、ぼくには、おもしろいの。
それに、多面的でしょ、じっさいの人間なんて。
ふつうは、一貫性がなければ、文学作品に矛盾があるって考えちゃうけど
じっさいの人間なんて、一貫性がないでしょ。
一貫性がもとめられるのは、政治家だけね。
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