詩の日めくり 二〇一六年十三月一日─三十一日/田中宏輔
。
頭が悪いのじゃろう。
わしは疲れた。
ベンチにすわって休んでおったら
マジメそうな女子高校生たちが近寄ってきよったんじゃ。
なんじゃ、なんじゃと思とうったら
女の子たちが
わしを囲んでけりよったんじゃ。
ひゃ〜
「いてっ、いててててて、いてっ。」
「いましかないんじゃない?」
こりゃ、かなわん
と言って逃げようとしても
なかなかゆるしてもらえんかったのじゃが
わしの息子と娘がきて
わしをたすけてくれよったんじゃ。
「お父さん
机のうえで
卵たちがうるさく笑っているので
帰って
卵たちを黙らせてくれませんか。
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