憑きものばんざい/ただのみきや
 
ンビニ前で煙草を吸う人々はみなマスクを下げ
片手のスマホを覗いていた

 霧雨の中で崩れてゆく 焚火から
 ひとりの赤ん坊が這い出して来る

鳥ほどの寡黙さも保てずに水たまりは爆ぜた
映し出した真実を湛え切れず
タイヤをダイヤで結ぶ一瞬で崩れ落ち
笑い死ぬ間もなく睫毛で漉されて



                   《2021年7月10日》








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