憑きものばんざい/ただのみきや
追憶儀礼
二人の時間はまだらに溶けて
いることすらも忘れてしまう
美しい他者 異なる種族
愛はアルビノ ひそやかな野性
お茶碗欠いたの
月は隠れてRした
なにひとつ発語することなく
呼び交わす
水と水
いつかの夢が井戸を上って来る
双子のようにRした 頭骨の
裏にこびりつく
暗黒の踊り子
机上の磯遊び
考えることに疲れ果て
冷たい皿に頭を乗せた
そして もう一枚
皿を反して上から乗せて
からだを切り離せば
わたしは一個の貝
脳は自閉のための腕力だ
からだはもはや
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