掃除/山人
 
擦ったり、ステンレスの錆を細かい金たわしで擦ったりすると、床に錆びの汁や、焦げて散らかった鉄くずが飛び散ってしまう。掃除をしつつ、自分のまわりを拭いたりし、トロトロ作業する。いったいこんなことをやって、いつになったら終わるのだろうか。しかし、徐々にではあるがきれいになっていく。あそこが終わり、此処が終わる。そして、聞きなれた音源も最後の曲をむかえ、ディスクが終わると厨房には静寂が訪れる。あと、もう一回聞こう。そんなことを繰り返し、午後三時まで行なったが当然まだ終わらない。もう六時間も同じ掃除をやっている。いい加減飽きてくる。
 休み明けの月曜日の夜明け頃、登山口の管理棟の掃除とトイレ掃除に向かう
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