詩の日めくり 二〇一六年十二月一日─三十一日/田中宏輔
十二月二十三日 「まことに、しかり。」
(…)世界の広いことは個人を安心させないことになる、類がないと思っていても、それ以上な価値の備わったものが他にあることにもなるのであろうなどと思って、(…)
(紫式部『源氏物語』紅梅、与謝野晶子訳)
「世界の広いことは個人を安心させないことになる」
まことに、しかりと首肯される言葉である。
二〇一六年十二月二十四日 「息。」
息の根。
息の茎。
息の葉。
息の幹。
息の草。
息の花。
息の木。
息の林。
息の森。
息の道。
息の川。
息の海。
息の空。
息の大
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