詩の日めくり 二〇一六年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 


ぼくはきみの記憶を削除する
ぼくはぼくの記憶を変更し
はじめて会った彼のことを新規に記憶する
ところが、きみの記憶はコピーが残っていたので
ジミーちゃんに指摘されて、きみのそのコピーの記憶が
間違った記憶だったことを指摘されたので
まったく違う人物の記憶にしていた、きみの正しい記憶と差し替える。

急勾配、訪問、真鋳、房飾り、パスポート、爪楊枝、ギプス、踏み段、スツール

生物検査、検疫処置、沼沢地、白子、金属探知機


二〇一六年十二月十八日 「「知覚の扉」というのは、ブレイクの言葉かな。」


自然は窓や扉を持たない
わたしたちは自
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