雑居ビルの一室で/
ただのみきや
ない空の下を行く陽気な葬列を一直線に破裂させて行った
地平線の向こう目頭の雪山でウインクする骰子が
骨壺でチンチロリンと鳴けば黒蟻の渦巻く振り出しの辺り
(――もっともっと啄んでほしい) わたしの切れ切れの歓喜は
涙でぬるぬるしてミミズのように苦しかった あの
一番上等で美しい土地にあってわたしは破綻したのだ
嘲笑のキスに埋もれて窒息し勃起したまま化石となれ
《2021年6月26日》
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