足らないものをおれはしっているがおれはそれをかかない、なぜならおれは直面するのがこわい/道草次郎
おれという寸法はおれのお気に入りの仮説の域を出ない
おれがおれの詩に吐き気をかんずることは全くもって正しいといえる
おれは掘ることばかりをかんがえる
この井戸をのぼることを、おれがかんがえないのはなぜだろう
こうかくと、いくらか偉そうなきぶんだ
良い詩の在り処がおれにはわからなくなった
そうして、そういうのもまた必然だし
必然は方方で叩き売られている
おれという寸法はたぶん
自殺したいんだろう
でもしないのは
ひどく意地が悪いだけなのだという仮説もまた
あるにはあるのだが
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