日曜日の処理場/空丸
 

彼もまた面白くなかった
「ものの哀れ」
面白くないー面白い この単純な白黒反転に
ぼくは乗った

 『明日世界が滅びようとも、今日私は林檎の種を蒔くだろう』

勉強もせず 働きもせず 港町をぶらついていた
寺山修二が編纂した「名言集」にこの言葉が載っていた
存在の通りに存在するのだ。
無謀な反撃はしない。諦めて逃亡しない。存在の通りに存在するのだ。
いつもの日常を、それが絶対的な「闘争」。
「人の覚悟」の軽やかさ


  ある家族の年越し風景


 大掃除

まず掃除すべきは掃除機と洗濯機だ。世間の埃を取り払わないと私自身が見えてこない。
母親:お父
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