am to pm/月夜乃海花
時計が今日も鳴いていた
皮膚がざわついて眠りに眠れず
痒い皮膚を引っ掻きながら
指のさかくれを食い潰し
目覚めたam5:09
「お元気ですか?」
そんなこともいう暇もなく
ただ針だけが歩んで何もなかった
「そうだ、君なんて居なかったんだよ」
呟いたら隣のサラリーマンが怪訝そうに
私を睨みつけて鞄同士が触れ合った
今日も電車は行ってしまった
そんなam7:17
私はこんなに幸せなんだよ
ただその台詞だけを言いたいのに
無意味な時計の音を聞いていた
「ねぇ、お昼ご飯の時間です。」
きちんと食べないとダメなんだよ
元気が出ないと前みたいになっちゃうよ
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