詩の日めくり 二〇一六年十月一日─三十一日/田中宏輔
 
肇さんの詩集『られぐろ』を読んでいて思ったのだけれど、詩のほうが読みやすいのに、なぜ世間では、小説ばかりが読まれるんだろう。T・S・エリオットとか、エズラ・パウンドとか、ウォレス・スティヴンズとか、笑い転げて読んじゃうんだけど。ぼくが翻訳したLGBTIQの詩人たちの英詩のなかにも、笑い転げるようなものもあったと思うんだけど。日本の詩人では、モダニズム時代の詩人のものなんか読んだら、もう小説どころじゃなくなると思うんだけど、日本の国語教育はモダニズム系の詩人を除外している。そいえば、ゲーテの『ファウスト』も読まれていないらしい。あんなにおもしろい詩なのに。どんなにおもしろいかは、ぼくは、『The
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