百まで/
目の色変えて
銭湯で真っ赤になった男の子が
百数えられないでいる
一から二十までは滑らかで
三十半ばで霞が掛かり
四十忘れているよと
隣で浸かるお父さんが
もう一度やり直しさせる
いつの間にか私も
小さく数えたりして
十九を飛ばしてみたり
二十八を増やしたりして
へんてこな百を数えた
湯上り秤に載ると
先月からさっきの分だけ
重くなってた
苦笑いで振り返ると
真っ裸の男の子が
白い口髭はやして
満足そうに笑ってた
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