私の人生らしきもの/幽霊
 
っていなかった。しかし、リラックスしたかったのだ。
 私はそれの端にマッチの火を移した。するとそれはちりちりと燃えることを止めなかった。刻々と燃え尽きていくのを見ていた私は、妙に脅迫めいたものを感じて、襲うように咥え込んだ。そしておっかなびっくり吸い込んだのだ。
 するとどうだ、苦い、まずい。あぁまずい。さらにまずい、そしてマズイ、挙げ句の果てには不味い!。なによりもまず不味い。目に染みて痛い。あぁ嫌な匂い。
 ごめんなさい、期待を持っていた。ごめんなさい、期待、だめだった。私の持つ期待は失望と素早く交換された。そうしてお風呂場の洗面器にはぼろぼろと脆いものが崩れ落ちていた。
 私は人間の
[次のページ]
戻る   Point(1)