花束みたいな恋をしたリライト/はだいろ
 

一番大切な物を、自ら手放すに至ったのだろう。
女子の方が、大切な何かを、手放さずに済んだとして、
本当に、男子が大切にしていたものと、それは同じものだったのだろうか。
実は、もともと違うものではなかったのか。


結局、書く側の社会性のなさが、
皮肉なことに浮き出ている作品になっていると思う。
もちろん、彼はもう三十年近くも、第一線に居残って、
こんな二人の素晴らしいスターを主演にした映画の本が書けるのである。
圧倒的に、凄いことだと思う。
だけど、調布の町の、家賃3万7千円の風呂なしアパートに住んでいた、
僕に響かせる何かは、
この映画の中には、あまりなかった。


















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