誕生/
葉leaf
られない、私に君のような子どもが産まれることが許されているということを。私は絶望の塔に幽閉されたまま焦燥と渇望で自壊するだけの人間だったはずだ。だが私は今や歓喜の大聖堂で高らかに歌声を上げているではないか。君という存在、その息遣い、その存在のリズムが私のからだ中にあるひびを一つずつ繕ってくれている。君よ、産まれてくれてありがとう。君の歩み一つ一つが私からどんどん独立していくのを楽しみにしている。
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