ソフトな心の真っ赤なウソ/竜門勇気
ックを作るんだ
東京はただの街
広島はただの街
岡山は父と母のいる街
どこも場所でしかない
その中にうずくまって冷たい嵐が過ぎ去るのを待っていた
なんてたくさん光が走るのだろう
床の上をチカチカと逃げ惑う蟻みたいに光が
瞼の裏は宇宙の底みたいだ
見上げるとほら、こんなにたくさん星が光って
母さん、父さん、見て
僕はこんなにあなたに近くなった
ほら!流星だよ
手をのばすと切れてしまいそうなほど
鋭利で美しいよ
ゴミ箱の横に
コンビニのロゴが入った袋が落ちていた
白く、なめらかで、誰のものでもなかった
中に腐ったなにかが入っていて
その中には僕も混じっていて
翌日八時頃あいつと一緒に壊れた焼却炉で燃やされる
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