ロスケ/TwoRivers
 
捕。
オホーツク海側の各都市では
ロシア船とのトラブルは未だに後を絶たない。

オホーツクの多くのロシア人漁師。
彼らは陰で「ロスケ」と呼ばれる。
もちろん差別用語であるのだが、歴史的な敵愾心や嫌悪感から、
未だにロシア人を受け入れることができない人々がいる。

世界各地の差別問題。
その根本に存在する恐怖心の払拭は容易でない。
宗教、国籍、人種、ジェンダー...
解決どころか、差別が差別を呼び恐怖は連鎖する。

80代半ばの両祖母は、
きっと二度とふるさとの地を踏むことはない。
「ロスケ」
途方にくれそうになるその言葉。
私にはこの過去と現実を引き受け、
伝えていくこと以外にできそうなことはない。
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