光色のコークレッスン/コーリャ
 
で、今が出来ている。(今、テレビでは、クリケットのプレビューが流れている。ボールが高くあがる。カウチ脇の窓から、飛行機が果てしなく飛びさる音。誰かのFacecook-Messengerの着信音。もう一本、ただの煙草を吸って、探偵のように、飛び出すつもりだ。)未来にも、降る光のグラデーションがあるように、そして、それもいつか思い出のグラデーションになるように。今は、今が、思い出と、未来の、グラデーションになるのを見つめている。それは煙。それは団欒で、ひとくくりの日常だ。そして、それは終わらずに続いていく。そのグラデーションを見つめれば、光の欠片で、始まらない今で、終わらない今で、もうそれからは何も書くことがなくなってしまうような、さっきの海浜からゆくりなく続いていく、光あふれる光景だ。
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