バスが来る文体/コーリャ
 
やはりまず書くことが大切なのだ。例えばきみは、詩を書こうとしている、お話を書こうとしている、批評を書こうとしている、哲学を書こうとしている、文字を書こうとしている。言葉は、始まりがあって、終わりがある。それは序列になっている。それは過去と未来がある。それは出来事である。それは身体を伴うことである。それはバスを待つことに似ている。冬は終わろうとしている。向かいのホテルのバルコニーでは酔っぱらいの男女が笑って話している。隣のおじいさんは家に電話している。過ぎ去る学生たちが異国語を話している。いつかバスは来るだろう。そしてきみは、バスに乗るだろう。過ぎ去るカップルが異国語を話している。隣には水を飲むダブ
[次のページ]
戻る   Point(4)