屁みたいなもんです/花形新次
 
誰かを傷付けることは
自分を傷付けることと
同じだ

幼い頃は
それに気付かない
幸せな季節

やがて時が経ち
自我がはっきりすると
他者の存在も鮮明になる
他者が自分と
同じくらいの重みを持って
すぐそこに立っている

その時はもう
誰かを傷付けることは
自分を傷付けることと
同じになっているんだ

傷付けた人々へ

あなたへ与えた傷の
数倍の傷による
痛みにのたうち回り
腐り、ボロボロになっている
私を笑って下さい

笑われることで
少しは楽になれそうな気がするのです
楽に死ねそうな気がするのです






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