残骸とひこばえ/atsuchan69
く天使の羽根を持ち、
小羊の革に
生贄の血で、
ふるえることばを綴る
――私は預言する、
この世界は終わりだ
夥しい数の死体の浮かぶ海と
傾いた高層タワーの群れ、
空をゆく巨大なドローン
黒焦げの街を機械の犬が走る
人々の祈りは枯れ、
清らかな声も水も尽きた
腐乱した顔には眼球もなく、
不快な匂いと
爛れた顔だけが陽に晒されている
私は預言する、この世界はもう終わりだ
そしてふたたび世界がはじまる
厳しい冬が終わり、春が来るように
戻る 編 削 Point(8)