詩の日めくり 二〇一六年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
、鴨川の浪よ」
「この鳥は、じゃあ、水鳥なの?」
「これ、千鳥よ。
 千鳥って、縁起がいいのよ。
 だから描いてもらったのよ。
 ほら
 新撰組の歌にあるでしょ。
 鴨の川原に千鳥がさわぐ〜って」
このあとのつづきも、歌ってくれたのだけれど
血が、どうのこうのってあって
不吉なんと違うかなと思ったのだけれど
黙って聞いていた。
ぼくが目の前でメモをとるのも不思議がらずに
ぼくに一所懸命に説明してくれて
めっちゃ、うれしかった。
共通の敵の話も、このときにしたのだけれど
それは後日に。
お笑いになると思います。

花名刺
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