詩の日めくり 二〇一六年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
二〇一六年六月一日 「隣の部屋の男たち」


 お隣。男同士で住んでらっしゃるのだけれど、会話がゲイじゃないのだ。なんなのだろう。二人で部屋代を折半する節約家だろうか。香港だったか、台湾では、同性で部屋を借りるっていうのはよくあるって、なんかで読んだことあるけど。まあ、ゲイでも、ゲイでなくてもよいから、テレビの音を小さくして。とくにコマーシャルの音がうるさい。というか、テレビしかないのか。音楽が流れてきたこと、一度もない。会話は、会社のことなのか、だれだれがどうのこうのとかいった情報、ぼくが聞いて、どうすんのよ。と思うのだけれど。とにかく、テレビの音を小さくしてほしい。


二〇一六年
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