からからと回る風車/
こたきひろし
をおりたりのぼったりした 水で野菜を洗ったり汚れた農具を洗ったりしていたのだ
土手には我が家で植えた無花果があって、季節の度に実をつけた
からからと頭の中で回る風車
思い出が記憶の中でクルクルと回りだした
隣家は貧農ばかりの周辺で、田んぼと畑を持ちながら
製麺業を営んでいた
周辺で唯一三輪自動車を持っているくらい
裕福な家だった
からからと頭の中で回る風車
風が止んで
風車は回らなくなった
他に思い出は何もなくなかったからだ。
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