一つの詩を/
ひだかたけし
僕が世界と繋がるために
涼やかな夜風を浴びながら
今日も一つの詩を書き留める
それは静かな吐息をついて
雨降る白壁に投映される
夢の間に間の幻灯機
巨大な毒蜘蛛を追いやって
雨滴を溢す紫陽花の
青く浮き立つ森の宇宙
いずれ時間は過ぎていき
僕は此処から居なくなる
その日のためにその時のために
今日も一つの詩を書き留める
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