安達太良山/Giovanni
 
それから
一人きりの
安達太良山
空気が
薄くなり
シングル
エンジンが
かたかた喘ぐ
荷物が揺れる

夏だというのに
どこまでも寒い
ジャケットが
じっとり濡れる

本当の空
なんて
一体どこに
あるのやら

白い波のような
湿った空気の間を
あっぷあっぷと
縫うように
往くばかりだ


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