メモ5.19/道草次郎
やさしさをさがしている。
ふるさとの動物園は入園料をとらない、思い出せ、淵にいて落ちそうな時は。
してきたことがみんな、恥ずかしい。いや、それらをどう思っていいか、じつはわからない。
あるくと、過去の水位があがる。私が氾濫し、汗が今にしみる。「こんにちは」と、何気なく云ってみる。声帯。産まれてまもないそれが、無惨にも初夏の餌食になる。
そうだね、わからない。現代詩フォーラムも復旧した。相変わらず履歴書はつっかえされ、やすいブラックコーヒーを買うことがふえた。
汚いベンチのせいで不快になり、美しい躑躅の枝をあやまって切ってしまう。トイレの一輪挿しが華やぐ。ひとときと地続きの無窮、それとともに。
耳鳴りがする。日々がすぎる。空の目張りが剥がれ掛かったところに、巨人の指。
戻る 編 削 Point(1)