ガラスの精進/ただのみきや
=*}
気づかずゆっくり壊れること
疑心を霧の中に置き忘れたまま
*
短くなった鉛筆がある
すでに多くを失った
残りわずかな鉛筆が
何文字書いたろう
あと何文字書ける
どれだけの言葉と
おまえは自分を置き換えたのか
古びた心臓よ
虚しく時を刻みながらも
なん度高らかに打ち鳴らされたことか
再び鳴り響くことはあるか
砂時計の砂のように
次第に質と量を見失い
炎に変わる一個の林檎
*脱人力
ブランコを漕ぐのは難しくない
いつからか記憶にないほどすぐに会得した
自転車を漕ぐのには練習が必要だった
それと少
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