妻を苦しむ/葉leaf
新しい住居には新しい生活の角度と密度がある。そして空気の中で鳴る音がすべて新しい。新しい住居に越してくるとき、引っ越しをほぼ一手に引き受けた私は疲労から風邪を引いた。風邪は水のように満遍なく妻をも満たした。妻の妊娠の苦しみには風邪の苦しみが複雑に絡み合った。妻が苦しむとき、常に私は妻を苦しんでいる。妻の妊娠の苦しみも当然私は苦しんできた。複雑に絡みつく風邪の苦しみも私はさらに苦しんだ。妻は天性の明朗さから決して私を責めることがなく、「しょうがないよ」と言ってくる。私はこんなにも罪責感でいっぱいなのに妻の光の前では何もかも浄化される。妻よ、君は生きることに恵まれている。妻よ、君は生きることが上手だ。君の前ではどんな苦悩も自らを恥じてその姿を現さないのだろう。私はそんな明朗な妻を一層苦しむ。
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