空の扉/Lucy
えた可能性という扉は
おそらくどの一つを選択したとしても
同じ奥行き同じ拡がりに続いていたに違いない
途中で引き返すことも
違う扉を開けてみることもできた
細く狭まっていく道を歩いてきたのではなく
その時々の選択が賢かったとか
愚かだったとか
遠回りとか近道とか
間違っていたとか取り返しがつかないとか
正解だったとか最善だとか
そんな定規で測るものではなく
可能性という扉は常に勝ち取られ拡がり続け
先生 扉は消えないし
どの扉も今だって私は開けることができる
なんなら二度と戻れないとあなたが予言した
14歳の自分に会いに行くことだってできる
戻る 編 削 Point(11)