空の扉/Lucy
 
えた可能性という扉は
おそらくどの一つを選択したとしても
同じ奥行き同じ拡がりに続いていたに違いない

途中で引き返すことも
違う扉を開けてみることもできた
細く狭まっていく道を歩いてきたのではなく

その時々の選択が賢かったとか
愚かだったとか
遠回りとか近道とか

間違っていたとか取り返しがつかないとか
正解だったとか最善だとか
そんな定規で測るものではなく

可能性という扉は常に勝ち取られ拡がり続け

先生 扉は消えないし
どの扉も今だって私は開けることができる
なんなら二度と戻れないとあなたが予言した
14歳の自分に会いに行くことだってできる

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