詩の日めくり 二〇一六年四月一日─三十一日/田中宏輔
やっぱり女の子のほうからナンパされて
朝までのみつぶれたことがあった。
女の子とは20代に何人か付き合ったけれど
どの子もかわいかったんだけれど。
いま55歳になって
もうそんなことはなくなってしまったけれど
そんな思い出を言葉にして
もう一度
自分の人生を
生きなおすことは
たいへん面白い。
老年というものは
もしかしたら
そんなことのためにあるのかもしれない。
ある種のタイムマシーンやね。
この叔父って
河野せい輔っていって
(せい、ってどんな漢字か、忘れた)
ぼくの輔は
そこからきてるって話で
こ
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