詩の日めくり 二〇一六年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
なのだ。しゃべり間違ったり、し損なったりする劇だけど。

 日知庵にいた男の子のことを思い出しながら、寝ようっと。いや、むかし付き合ってた男の子のことを思い出しながらかな。たぶん両方だな。なんだかな〜。でも、やっぱり日常が最高におもしろい劇だな。それとも、おもしろい劇が日常なのかな。笑っちゃうな。ちょっぴり涙しちゃうな〜。それが人生かな。

 あ、その男の子、植木職人だって言うから、こう言った。「きみが使ってる鋏から学ぶこともあるやろ? 人間って、なにからでも、学ぶことができるんやで。」って。55歳にもなると、こんな、えらそうなことを口にするのだと、自分でも感心した。えらそうなぼくだったな
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