ただ、風に揺らぐように/
ホロウ・シカエルボク
目に見えないものに踊らされ続けるのはもっと愚かかもしれない、確かにそこに在るというものなど本当はひとつもありはしないのだ、必要なことは多分、それらすべてをそのまま受け止めることなのだ、建物をあとにすると、途端に鳥たちが騒ぎ始めた、あいつらもきっと、自分だけにしか見えないものを見つめ、そしてそれをどこかへ吐き出したくてしかたがないのだ、そのときなぜかそんなことを思った、いつのまにか汗が滲むほどに気温は上がり始めていた。
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