明日、世界が終わる/そらの珊瑚
 
敗した。そしてとうとうあたしと母は人類最後の二人となった。
「ありがとう、リンダ。じゃあ、朝食にパンケーキでも焼こうかしら」
「メープルシロップもかけてね」
「オッケー」 
 テーブルに焼きたてのパンケーキが並べられ、今まさにそれにナイフとフォークを入れようとした時だった。コツコツと音がしたので、見れば八咫烏(やたがらす)のジョンがくちばしで窓を叩いていた。窓を開け、彼を迎え入れる。
「どうしたの、ジョン。こんなに朝早く」
「ハーハー、やっとこさ息がつける」
「あらあら、朝食を一緒にどう? ジョン」
「ありがたや。何しろあわてて飛んできたんで、もう腹ペコで」
「何をそんなに急いで
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