詩の日めくり 二〇一六年三月一日─三十一日/田中宏輔
 

ぼく
家族の誕生日
ひとりも知らない。
前恋人の誕生日だったら覚えてるのに
バチあたりやなあ。
まるで太鼓やわ。
太鼓といえば
子どものとき
よく
自分のおなかをパチパチたたいてた
たたきながら
歌を歌ってたなあ
ハト・ポッポーとか
近所でもバカで有名で
うんこ
がまんして
がまんしきれなくって
家のまん前で
ブリブリブリッて
それが
小学校6年のときのことだから
まあ
父親が怒ってね
でも
ガマンできなかったんだもーん
ブリブリブリッて
思いっきり
引きずり回されたこと
覚えてる
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