詩の日めくり 二〇一六年三月一日─三十一日/田中宏輔
 
実のできごとを現実に取り込んでしまうことがある。気がついてよかった。よく知っている方の親戚で、厭なことを言われて憤慨したのだが、目が覚めて、そのような人物が存在しないことに気がついたのだった。しかし、シチュエーションは生々しかった。

 塾に行くまえにブックオフで、マイケル・シェイボンの『ユダヤ警官同盟』上下巻を買った。未読の本が増えていく。本棚がまだ埋まる。死にたい。というか、寝るわ。クスリのんで。おやすみ、グッジョブ! あ、まえに付き合ってた子からうれしいメールが。チュって、さいごに。そうか、キスしたいのか。


二〇一六年三月九日 「目の見えないひと」


 きょうは、朝に3
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