詩の日めくり 二〇一六年三月一日─三十一日/田中宏輔
 
二〇一六年三月一日 「ブロッコリー」


いま、阪急西院駅の前のビルに自転車をとめたら
めっちゃタイプの男の子が近づいてきて
わ〜
さいきん、ぼく、めっちゃ、もてるわ〜
ってなこと考えてると
その子が言いました。
「このビルのどこかに行かはるんですか?」
「そだよ。本屋にぃ」
「じゃあ、すぐに戻ってこられますね」
「すぐだよん」
その子はシャツのエリがとてもきつそうだった。
20歳すぎかなあ。
ぼくの目をじっと見ながら、しゃべってた。
ガチムチの彼は
お巡りさんの制服のよく似合う子だった。
惚れられたかもね。

お昼に、ピザ、思い
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