小学生日記「アナタに伝えたくないこと」/瓜田タカヤ
 
動き出さない男の妄想であったという
安易なオチにしてしまっているのだ。
もしかして僕は無意識にどこかでこの詩に嫌悪感を感じたのだろうか。
なぜなら母性の喪失をフィルターにした主人公(自己)が
「日常生活の恐怖感内(異常な社会であって欲しいと言う願望)」
を前向きに生きだしてしまうという事は、無意識に
蒸発した母の事を認めてしまっているような感覚に襲われるからだ。

だから僕は「バカげた妄想であって欲しい」事を望んだのかもしれない。

「僕の愛する人」に守られている強さではない。
「僕が愛されている人(母)」に守られている強さだ。
常に裏切るのは自己の愛だ。
他者の愛が絶対的なものならば、それは裏切らない。

PS

見えない壁が僕を圧殺しようとしたとしても
その不安を取り去ってくれる人は、もう居ないと思っていたが、
不愉快なことに、自分の子供がそうだった。

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