小詩集・草心(そうしん)/岡部淳太郎
 
 草心 1


その薄さだけで
大気にさらされ
風に嬲られる

大気という
混沌の暴力のなかに
その薄さだけで


 草心 2


折れるほどの細さに
宿る心は
千切れるほどの薄さに
宿る心は

その心で
祈るものはなにか
その心が
契るものはなにか


 草心 3


その鮮やかな緑も
やがて枯れる
その時の
草の心はどこに

変わり果てた色のなか
ただ葉脈のかたちだけが
緑の名残を留めて


 草心 4

{引用=
虫たちが止まり
草と互いにくすぐりあって
共に生きている

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