お祝い/梓ゆい
 
大きな口を開けた君は
生クリームの付いた苺をほおばっている。

半分が残ったホールケーキの上
苺が欲しくて
「もっと食べたい。」と腕を伸ばせば

ふっ。。と笑ったおじいちゃんが
一口食べたケーキの上の苺を
君のお皿へそっとのせてくれた。

生クリームとまじり合う苺の甘さと酸っぱさは
この先で起こる節目の出来事と
よく似ている。


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