世にも奇妙な花/
atsuchan69
味ければ
花はそれで満足したにちがいない
しかし俺の血は、
致命的に不味かったのだ
いつしか俺は
吸血鬼になる夜を重ねた
幾人も、
また幾人もの若い女が犠牲になった
俺の肉体は
夥しい数の屍に埋もれ、
やがて俺という存在の記憶も忘れて
気がつくと、
巨大なタンポポみたいな
世にも奇妙な花そのものになっていた
こうして俺はたった今、
あなたの、
頭の中に咲いているのです
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