モノクロの天国と極彩色の地獄/ただのみきや
 
に包まっている






浦島

光の水槽で炭酸水が弾けている
遠い休日の朝
終わらない一日を求めて旅立った

あなたは
墓地で目を覚ます
忘れられた花束

終わらない そして 
想い出せない幸福に捧げられた

長すぎる余生
狂った磁針の放浪者 

暮れかけの墓石に止まる
擦り切れた 秋の蝶
開け方がわからない玉手箱を胸に

印象の断片を訪ねては 
どこからも追われてしまう
異端の巡礼者






土蜘蛛

血を遡る 舟は
  ゆっくりと沈み
暗い水底から浮かび上がる
   新月へと乗り換えて


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