詩の日めくり 二〇一六年一月一日─三十一日/田中宏輔
なくて
手を握り返してあげることもできひんかった。
きょうも、勇気がなくって。
なんて小心者なのやろうか、ぼくは。
相手の子の勇気を考えると
手を握り返すくらいしなきゃならないのにね。
反省です。
二〇一六年一月十六日 「二〇一四年八月二十一日に出会った青年のこと」
メモを破棄するため、ここに忠実に再現しておく。
?マンションのすぐ前まで来てくれた。車をとめる場所がないよと言うと、「適当にとめてくる」と言う。
?部屋に入ると、テーブルの下に置いていた、ぼくの『詩の日めくり』の連載・2回目のゲラを見て、「まだ書いてるの?」と訊いてきた。「セックス
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