詩の日めくり 二〇一六年一月一日─三十一日/田中宏輔
なかったし、才能もつづくとは思っていなかったけれど、齢とって、才能とは枯れることのないものだと知った。幸せなことかどうかわからないけど、詩のなかでぼくが生きていることと、ぼくのなかで詩が生きていることが同義であることがわかったのだ。若いときには思いもしなかったことだ。ぼく自身が詩なのだった。ぼく自身が言葉であり、記号であり、意味であったのだ。
二〇一六年一月十三日 「詩について」
どういった方法で詩を書くのかは、どういった詩を書くのかということと同じくらいに重要なことである。
二〇一六年一月十四日 「嘔吐」
いったん
口のなかに
微量の反吐が
こみあげ
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