sonnet/白/黒
 
このごろは病臥しているので、
戸外の風景を見つめることができません。
買い物に出かける時も、目に入るのはアスファルトだけで、
鋪石が足元を圧迫しているのでした。

それでも今日は白い色の桜を見ました。
人間に、花は興味がないようでした。
生きているのが、どちらかが分からないように。
花は何を語ることもなく、見つめてすらくれないのでした。

どこへ向かって生きているのか、分からない気持ちでいます。
ひたすらの死へ向かって、歩み進んでいるのかもしれません。
苦痛を怺える術もなく、愛情とは無縁で、怠惰で、

さようならを、いつ告げようかと、そればかりを気にしています。
ありがとう、ありがとう、ありがとう。
今日は白い花を見せてくれて、ありがとう。それだけが、思い出として残るのです。
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